「第5回 AI・人工知能 EXPO 春」に行ってきた

少し前になるのですが「第5回 AI・人工知能 EXPO 春」という展示会がビッグサイトで開催されてたので行ってきました。

今回の展示会は同会場、同時刻に「第2回 ブロックチェーン EXPO 春」、「第1回 量子コンピューティング EXPO 春」が開催されていて内容としては盛りだくさんな展示会となっていました。

行く目的は2つ。

  1. AIの流行りの把握とビジネス展開の調査

  2. 量子コンピューターの商用利用の現在地を知る

1についてはこの界隈は時の流れが早いので1年くらいで結構内容が変わってたりするので、断続的にウオッチしないといけないですね。 2についてはあまり情報がないのでとにかくなにかきっかけ作れればくらいの感じで望みました。とくにビジネス展開してる企業の話を聞きたく。あと動作原理を勉強中ということもあり個人的な興味強く。

まずAI系プロダクトについてざっくりまとめ。

エッジAI

増えてる。ラズパイ導入なども市民権を得てきているのか、コスト抑えつつクオリティ担保が可能になってきてる。

動画を扱うプロダクト

カメラでのリアルタイム監視系が数年前よりかなり増えている。やはり自然な流れとして動画系に移行しているのだなと。

ノーコード系

既存のソリューションをノーコードに振ることによって顧客ターゲットシフトや差別化の方向性が垣間見れた。

SaaS系とSI・受託に二極化

SaaS系はプロダクトがしっかりしていて、客単価高く、データ主体なので一度使うとチャーンしないといった王道にうまく乗れている企業が強いというのは他ジャンルのプロダクトと同じ。一方、やはりというか受託メインでやる企業が多いが、それではスケールしないという危機感あり。ただSI除いた受託系スタートアップのほうがユニークで前衛感あって、説明員の本気度も高く、話聞く分には情報量・質ともに得るものが多い(必然的に小さいブースを回ることが多くなる)

総じてこの分野は歴史がある分、目新しさはないが、毎年確実に底上げされてきてるといった感じ。 ファーウェイが一番大きなブース出してるあたり時代の流れを感じます(複数プロダクトの紹介で、内容も安定感あり)

次にブロックチェーンまとめ。 こちらは、正直あまり真剣にみませんでした。ブース区画も小さくてそんなに展示物が多くなかったこともあるかもです。 LINEさんがブース出してました。2年くらい前に発表されてたLINK(LINEの仮想通貨)でLINE経済圏作る構想があったことを思い出し、説明していただいた方に聞いてみたら、もうすでにLINEアプリ内で展開中とのこと、LINEをあまり積極的に使ってるほうじゃないのでこのあたりの情報に疎かったと反省。ただ、LINEのユーザー規模をもってしても独自通貨の流通は厳しいらしく、これからだとおっしゃってました(現時点で独立したアプリとなっていてLINEにがっつり組み込まれてる感がないので、おそらく仮想通貨プロダクトのLINE内での位置付けにも関係してるのかもなと思ったり) いづれにしてもLINEは壮大な実験場なんだなと思いました。

最後に量子コンピューティングまとめ。 こちらもブース区画はそれほど大きくなくて、展示物も目を引くような目玉プロダクトがない。 少なくとも日本ではまだまだビジネスとして成立させるのが難しい段階なんだなという実感。利用コストも相当なものだそうで、資本力のある企業中心にPoCを回してる。

ハードウエアレベルの量子コンピュータエミュレーターってのがいくつかあって、そういうジャンルがあるのだなと勉強になった。 私のメイン目的はソフトウエア中心にビジネス展開されてるBlueqatさんの話を聞くこと。量子コンピューター関連の独立系企業としては草分け的な存在。量子活用というと、古典コンピューターでは組み合わせ爆発による計算困難な創薬や配送経路問題などの解決ってイメージが強いけど、実際は最適化を目的としたさまざまなソリューションを展開していてたいへん興味深かった 。情報検索やレコメンデーション、生成系なども物によっては量子の範囲だとのこと。直感的には既存の機械学習アルゴリズムを量子に置きかえるという感じ。今より数段使える量子コンピューターが出てきてコストも下がってきたら、既存の知的リソースが流用可能ということで一気に導入が進むんじゃないかと想像する。それがいつになるのかって話ですが、このあと日を改めて伺った話だと日本は相当遅れてるみたい。確かに海外の情報探ってるともうあと3年くらいで来るんじゃないかと思うようになってたので、その肌感は合ってたかもしれない。好奇心とかの段階はすでに終わっていて、エンジニアとしての個人としても、日本の行く末に対しても潮目を逃すのではないかという漠然とした危機感と焦りが残る。

最後に。

こういった展示会には時々足を運んでます。まあ、一回で得られる情報なんてたかが知れてるとはいえ、一度に数百社のプロダクトが展示され俯瞰できるのは魅力で、その時の流行りがなんとなく見えるのと、スタートアップや社内の前衛的プロダクトで真剣勝負している方の生の声を聞くことができる貴重な機会だからです。一社一社アポとって話聞くなどかかなり無理なのでほんと貴重な機会です。コロナ禍でオンライン開催が増えているので直接会話できる機会が減るのはちょっと残念ですけどね。今回は感想程度のことしか書けてないけど、こういう地道な情報収集から得られた知見を体系化していって自社の事業創出に生かせていければなと強く思いますし、それが大きなミッションでもあります。